【中小企業向け】母集団形成で解決する採用の悩み

公開日:2023年12月21日

採用戦略

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採用は中小企業の大きな課題ですが、母集団形成をうまく活用し、持続的に成長を続けている中小企業も多く存在します。

この記事では、母集団形成を通じて中小企業がどのように採用の悩みを解決し、望む人材を獲得できるかを解説していきます。効果的な採用手法から実際の事例まで、中小企業の採用成功に必要な要素をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

母集団形成とは? 中小企業に必要な理由

「母集団」とは、もともと統計の分野で使われている用語で、研究において実験対象とした集団のことを「標本」と言うのに対し、本来知りたいと思っている集団全体のことを「母集団」と言います。
例えば、日本人男性の平均身長を知りたい時に、100名を対象に調査を行ったとします。この100名が「標本」、日本人男性全員が「母集団」と表現されます。

採用における「母集団」とは、実際にエントリーしてきた人材だけでなく、自社の求人に興味を持ち、今後エントリーする可能性のある人材の集団のことを意味します。
「母集団形成」とは単なる人集めではなく、企業が求める人材像を明確にし、その像に適合する候補者を集めるプロセスを指します。

中小企業にとって母集団形成が重要な理由は以下の通りです。

適切な人材の確保

母集団形成を効果的に行うことで、自社に最適なスキルや資質を持つ候補者が応募してくる可能性が高まります。これにより、採用の精度を高め、企業の成長に貢献する人材を確保できるようになります。

採用コストの最適化

適切な母集団形成戦略により、無駄な採用コストを削減し、効率的な採用活動が可能になります。特に資源に限りがある中小企業にとって、コスト効率の良い採用は経営の安定に直結します。

中小企業の母集団形成のポイント①ターゲット像を明確にする方法

母集団形成において最も重要なポイントの一つが、自社にふさわしいターゲット像を明確に定めることです。大企業よりも中小企業の方が特に、採用における明確なニーズがあると思いますが、そのニーズにマッチする人材を見つける必要があります。では、どのようにしてターゲット像を明確にすれば良いのでしょうか?以下にその方法を紹介します。

1. 企業のニーズを理解する

まず、企業の現在のニーズと将来の目標を理解することから始めます。
どのようなスキルや経験が必要か、または企業文化に合う性格や価値観を持つ人材が必要か、ハードスキル/ソフトスキルの両面から考えます。
また、理想の候補者像を描くことで、採用活動の方向性を定めることができます。

2. 役割ごとの要件を特定する

次に、募集する各ポジションの具体的な役割と責任を明確にします。これにより、求める候補者の能力や経験レベルをより詳細に定義することができます。定義をしっかりと行っているか否かは自然と求人情報に反映されるため、自社が求めているような人材からの募集を集めやすくなります。

3.コミュニケーション戦略を調整する

ターゲット像が明確になれば、求人広告や採用サイト、各メディアに掲載するメッセージをその像に合わせて調整します。これにより、目指す候補者層に効果的にアピールすることができます。
しかし、効果的なメッセージを考えるのはなかなか大変です。求人広告の書き方について、コツがわからないという方はぜひこちらの記事を確認してみてください。

コピーライター直伝の魅力的な広告の書き方_リンク
https://www.specialism.jp/lp/hr/contents/4eg2g1rpkaic

中小企業の母集団形成のポイント②中小企業の成功事例

中小企業が母集団形成を成功させるには、ターゲット層への露出を増やす戦略が重要です。その具体例として、株式会社TBMとディップ株式会社の事例を紹介します。中小企業の母集団形成の事例を参考戦略を立てていきましょう。

株式会社TBMの事例

プラスチックの代替素材などの研究・開発事業を行う株式会社TBMは、新卒採用を開始した初年度から、500名の母集団形成を行い、最終的にはその中から11名に内定を出しました。
主に母集団形成においては、Wantedlyプラットフォームを利用し、会社説明会と座談会を組み合わせたミートアップを開催しました。社内リクルーターによる個別フォローも実施し、最終面接での合格者から9割の内定承諾率を達成しました​​。

ディップ株式会社の事例

バイトルなどの求人広告サイトを運営するディップ株式会社では、機械学習エンジニアとデータサイエンティストの採用において、自社サイトと求人サイトで募集をかけ、リモートインターンの受入れも開始しました。
この戦略により、母集団を形成しつつ、応募者のスクリーニングにも利用し、2,000〜3,000人のエントリーから自社に合った5名の人材を採用しました​​。

中小企業の母集団形成のポイント③採用コストを最適化するテクニック

コスト最適化のテクニック

中小企業にとって、採用コストを効率的に管理することは重要です。母集団形成におけるコストを最適化するためのテクニックをご紹介します。

効果的なオンラインプラットフォームの活用

求人広告のコストを抑えるために、LinkedInやIndeed、Wantedlyなどのオンラインプラットフォームを効果的に活用することをお勧めします。これらのプラットフォームは、広範囲にリーチできるだけでなく、低コストで候補者にアプローチすることができるため、多くの企業が利用しています。

副業人材の転換

スタートアップ企業などで多いのが、最初は業務委託や副業として人材を採用し、企業の良さを感じてもらってから正社員として迎え入れるというアプローチです。企業側としては、スキルの高い人材を採用できるだけでなく、その人材と自社の相性を見極められる時間があるため、メリットが大きいと言えるでしょう。
副業人材の採用がしやすいプラットフォームとしては、OffersFindyYOUTRUSTが挙げられます。

内部リファラルプログラムの導入

従業員のリファラルを通じて新たな候補者を獲得することは、コスト効率が良く、同時に社内のモチベーションも高めます。従業員が推薦する候補者は、企業文化に合う可能性が高いため、その後の定着率も高い傾向にあります。

コスト効果の高いイベントの実施

キャリアフェアや業界イベントへの参加は、多くの候補者に直接アプローチする機会を提供し、採用コストを削減します。また、これらのイベントは企業の知名度向上にも寄与します。

中小企業の母集団形成のポイント④自社採用HPの強化

自社採用サイトの強化

求職者の行動として印象的なのが、オンラインプラットフォームで企業の目星をつけ、その企業の採用HPを見にいくという流れが非常に大いです。
自社採用サイトのクオリティが、求職者に大きなインパクトを与えることがわかるデータがあるので、ご紹介します。

採用サイトの重要性

株式会社ONEの調査によると、求職者の83.9%が企業のホームページを見て企業研究を行っており、62.4%の求職者が採用サイトがある企業をポジティブに感じると回答しています。

採用サイト_データ
引用:株式会社ONE

また、サムライト株式会社の調査では、中途採用において「給与・福利厚生」「労働環境」「社風・カルチャー」が最も求められる情報であることが明らかになっています​​。採用サイトよりも自由度が高く、求職者が求める情報を的確に訴求できる採用サイトの重要性は増してきています。

採用サイト_データ
引用:PRTIMES

弊社では、経験豊富なエンジニア及びデザイナーが在籍しており、採用サイトの製作も承っています。また、データサイエンティストによる、採用HP立ち上げ後のデータ分析フォローも行なっております。お気軽にぜひご相談ください。

採用サイト制作_バナー

まとめ

今回は、母集団形成を通じて中小企業がどのように採用の悩みを解決し、望む人材を獲得できるかを解説していきました。
効果的な採用手法から実際の事例まで、中小企業の採用成功に必要な要素をご紹介しましたので、ぜひご活用ください。