採用を効率化するデータ分析:活用方法と具体的な事例を紹介!
公開日:2024年5月5日
採用戦略
目次
- 採用データ分析のポイント①:何を分析すべきかを定義
- ー採用活動で得られるデータ
- ー採用サイトの重要性
- ー目的とアウトプットを明確にする
- 採用データ分析のポイント③:まずはこの3つのデータに注目!
- ー応募者のデータ
- ー採用プロセスの各時点における人数
- ー採用コストに関するデータ
- 採用データ分析のポイント②:データを活用した採用戦略の策定
- ー活躍している採用者の分析
- ー求職者の行動分析
- 採用データ分析のポイント③:採用データ分析の事例
- ー株式会社日立製作所
- 採用データ分析のポイント④:採用サイトのアクセス解析
- 採用データ分析のポイント⑤:採用データ分析ツールの紹介と活用方法
- ー応募者追跡システム(ATS)
- ーAI搭載の採用管理システム
- 採用サイト制作はミウイットへ
- まとめ
採用サイトの制作を中心に採用支援を行っている株式会社Miuitです。
採用活動の効率を高めるために、データ分析が有効ですが、データをどう分析すればいいのかわからない...。というお悩みを抱えている採用担当者や経営者の方は多いのではないでしょうか?
この記事では、採用データの分析における重要なポイントと、それらを実際の採用シーンでどのように活用するかを事例と共にご紹介します。
採用データ分析のポイント①:何を分析すべきかを定義
採用活動で得られるデータ
採用活動を行うにあたって、以下のようなデータが得られます。
採用活動の各アクションごとに、取得できるデータを具体的にご紹介します。
自社採用サイトでの募集
・求職者のサイト内行動・滞在時間
・求職者の興味・関心を惹くコンテンツ
・求職者へのアクセス情報(メールアドレスなど)
説明会などのイベント開催
・参加者数
・参加者数の属性(年齢・性別・居住地など)
・参加者へのアクセス情報(メールアドレスなど)
・イベント開催費用
求人媒体での募集
・応募者数
・応募者の属性(年齢・学歴・職歴など)
・求人媒体別応募数
・求人媒体別コスト
選考活動
・書類選考通過数
・選考辞退者数
内定
・内定者数
・内定辞退者数
・入社数
・採用1名あたりのコスト
採用サイトの重要性
特に、株式会社ONEによる最新調査では、自社採用サイトに関して、求職者の83.9%が企業のホームページを見て企業研究を行っており、62.4%の求職者が、採用ページがある企業をポジティブに感じると回答しています。
このデータからもわかるように、採用サイトは求職者を惹きつけるために重要であり、そのデータの分析は近年需要が増しています。
目的とアウトプットを明確にする
近年の採用活動において、上記に挙げたデータを分析するのとしないのとでは大きな差がつきます。
しかし、どのデータをどう分析すべきか理解しておかないと、時間をかけて行ったデータ分析が無駄になる恐れがあります。
そのため、まずは「何のための分析で、どんなデータを出したいのか?」という目的とアウトプットを明確に定義しておきましょう。
採用データ分析のポイント③:まずはこの3つのデータに注目!
応募者のデータ
まず注目すべきは、応募者のデータです。これには、年齢、職歴、これまでの経験などが含まれ、分析することで自社に応募してくる求職者の属性を理解することができます。
現状の応募者と、理想とするペルソナ像を考慮し、ベストな候補者の選定を行うことに役立ちます。
今回はランダムに生成した、こちらの 100 名分の求職者のサンプルデータを用いて、どの年齢層からの応募が多いのかを可視化してみましょう。
このようなデータから、「どの年齢層からの応募が集まっているのか」などの情報を見るときには、以下のように棒グラフと度数分布表を用いて視覚化することで全体感を把握しやすくなります。
この図を見ると、これまで30-45歳の中堅からベテラン層の採用に力を入れていたことが分かりますね。
さらに男女比を確認するために、棒グラフの各棒の色分けと、円グラフを追加することで、さらにわかりやすくなりましたね。
採用プロセスの各時点における人数
次に、採用プロセスにおける各時点のデータも取得しておくと非常に便利です。
これらのデータを分析することで、採用プロセスのどの部分が最も効率的であり、どこに改善の余地があるのかを把握することができます。
可視化の方法としては、以下の図のように各フェーズごとに何名の候補者がいて、最終的に応募まで至ったのは何名かをファネルで表すのがおすすめです。
また、各フェーズごとの施策と対応させておくことで、採用プロセスの中のどの施策が原因で候補者を流出させてしまっているのかを可視化することができます。
採用コストに関するデータ
さらに、採用にかかるコストとその効果を分析し、コスト対効果の高い採用手法を特定します。
以下に、採用活動にかかるコストとして代表的なものと、その評価の方法や評価指標についてご紹介します。
広告費
事業が拡大してくると、ジョブポータルサイトや新聞、ソーシャルメディアなどに掲載する求人広告の費用がかかることが一般的です。評価の方法としては、求人広告にかかった費用を応募者数や採用成功数で割り、どの広告媒体が最も効率的だったかを分析することで評価可能です。
特にCPCは、メッセージやクリエイティブを変更することで、値がどのように変動するかを確認しましょう。
広告運用は、素早くPDCAをまわすことによって最適化していくことができます。
- 評価指標
- Cost Per Click(CPC):広告費 / 採用サイト閲覧数など = 見込み採用単価
- Cost Per Hire(CPH):広告費 / 採用者数 = 採用単価
人材エージェントの手数料
人材エージェントを活用している企業も多いと思います。この場合は、エージェント経由で採用に成功した場合の手数料総額を採用数で割り、そのコスト効率を測定します。
- 評価指標
- Cost Per Hire(CPH)
採用イベントの開催費
採用イベントを開催した場合は、イベントの総費用を応募者数や採用数で割り、そのイベントのROI(投資収益率)を計算します。オンライン/オフラインで費用は変わってくることが多いです。
また、イベントのために稼働した社員の人件費も計算に入れておくと、より正確なコスト計算ができるでしょう。
- 評価指標
- Cost Per Action(CPA):総コスト / 応募者数 = 1人あたりの応募コスト
- Cost Per Hire(CPH)
面接運営費
採用するにあたり、どの企業でも実施されるのが採用面接です。人件費という観点で見てみると、この採用面接もコストと捉えることができます。一般的には、面接にかかった人件費を採用人数で割り、一人あたりのコストを算出します。
このCPHが高いと、「無駄な面接が多い」とも言えるので、書類選考の精度を上げる必要が出てきます。
- 評価指標
- Cost Per Hire(CPH)
これらのデータ分析を基に、ターゲットとする候補者層を絞り込み、効果的な採用メッセージや媒体を選定することが可能となります。
採用データ分析のポイント②:データを活用した採用戦略の策定
採用活動において、データを活用した採用戦略の策定は、より効果的な採用を実現するために重要となります。データに基づいた採用戦略は、採用の質と効率を高め、企業にとって最適な人材を確保するための強力な指針となります。
活躍している採用者の分析
まずは過去の採用活動から得られたデータを分析し、どのように採用した人材が社内で活躍しているのかを分析します。職歴や学歴などの表面的な情報だけでなく、その人材の何を重視して採用したのかを抽出し、言語化・可視化することが大切です。
求職者の行動分析
次に、採用プロセスの各ステージにおける応募者の行動や反応を分析し、応募者の経路や関心度を理解することも重要です。
その求職者と何度も接触するうちにエンゲージメントが高まり、応募に至ったというケースが多い場合、単純接触効果を上手に使い、求職者とのタッチポイントを増やしていく戦略を取るという方針が考えられます。
反対に、タッチポイントが少ないにもかかわらず、応募に至ることが多かったという場合は、その時にどのような要素がうまくいった要因なのかを分析し、より精度の高い採用活動に繋げていくことができます。
採用データ分析のポイント③:採用データ分析の事例
採用活動におけるデータ分析には、具体的な事例から学ぶことが重要です。データ分析がどのようにして採用の効率と効果を高めることができるのかご紹介します。
株式会社日立製作所
採用データ分析の成功事例として、日立製作所の取り組みが注目されています。
日立は毎年数百名単位での採用を行っていましたが、同質的な人材が多く、イノベーティブな視点で物事を考える人材が不足しているという課題に直面していました。これに対応するため、日立では採用データを活用し、適性検査を実施して社員のタイプを4つのカテゴリに分類するという施策を実施しました。
社内にどのカテゴリの人材タイプが多いかを見極め、不足しているカテゴリタイプの人材の採用を強化できるよう、面接の仕組みを変更しました。その結果、必要とされていたカテゴリの人材を確保することに成功し、企業の弱点を補う採用戦略を実現しました。
この事例のように、採用活動におけるデータ分析を通して企業を成長させるためには、目的を明確に設定し、適切なデータを収集と分析を行うことが重要です。さらに、分析結果を基に、採用プロセスの改善や戦略の調整を行うことで、より優れた採用活動とすることができます。
採用データ分析のポイント④:採用サイトのアクセス解析
自社採用サイトは前述した通り、求職者を惹きつけるために非常に重要であり、そのデータの分析は近年需要が増しています。Webサイトのアクセス解析には専門的な知識と経験が必要となりますが、google Analyticsさえ導入してしまえば、デフォルトで用意されているレポートを見ることで、ある程度アクセス状況を確認することもできます。
こちらの記事では、弊社のデータサイエンティストがGA4を使ったアクセス解析について理解すべき6つの指標を解説しています。
この記事で、アクセス解析の基礎的な知識やGoogle Analyticsがどのような仕組みでデータ収集をしているのかを理解できますので、以下のリンクからぜひご覧ください!
採用データ分析のポイント⑤:採用データ分析ツールの紹介と活用方法
採用プロセスにおける効率と精度の向上のためには、データ分析ツールの適切な活用が不可欠です。これらのツールは、通常であればデータサイエンティストに委託するような、応募者のデータ収集、分析から、採用戦略の策定を自動化することで、時間と労力を節約し、より精度の高い採用決定をサポートします。
応募者追跡システム(ATS)
応募者の行動などのデータを一元管理し、適切な候補者を迅速に特定するのに役立ちます。こちらでは、代表的なATSをご紹介します。
- HRMOS: 新卒・中途採用に対応したシステムで、グッドデザイン賞を受賞したユーザーインターフェースを持っています。(公式サイト:https://hrmos.co/)
- HERP Hire: 無料トライアルがあり、現場を巻き込んだ採用活動に最適なシンプルなシステムです。(公式サイト:https://lp.herp.cloud/)
- JobSuite CAREER: 中途採用に特化したATSで、契約継続率95%の高い信頼性があります。(公式サイト:https://jobsuite.jp/career/index.html)
- ジョブカン採用管理: 人事・採用担当者約1,000人の意見をもとに開発されたシステムで、6,000社以上の導入実績があります。(公式サイト:https://ats.jobcan.ne.jp/)
- sonar ATS: 新卒・中途を一元管理でき、中小企業から大手企業まで1000社以上の実績があります。(公式サイト:https://sonar-ats.jp/)
AI搭載の採用管理システム
応募者のスキルや経験といったデータを分析し、最も適合する候補者を推薦することができます。しかし、まだまだ海外製品が多いため、言語的な障壁もあります。こちらでは、代表的なAI搭載の採用管理システムをご紹介します。
- Sanka: 採用プロセスを自動化し、合理化するために特別に設計されたソーシャルメディア採用ツールです。(公式サイト:https://sanka.io/ja/solutions/social-media-recruiting/)
- Mya: AI採用アシスタントで、チャットを通じて求職者に働きかけ、求人の詳細や会社に関する質問に答えたり、応募状況をアップデートしたりします。(公式サイト:https://www.thestepstonegroup.com/en/mya/)
- Harver: 特定の職務に対する候補者の適性を予測する入社前評価プラットフォームを提供します。(公式サイト:https://harver.com/)
- HireVue: AI主導のビデオ面接プラットフォームで、企業が短時間で標準化された面接を実施できるよう支援します。(公式サイト:https://www.hirevue.com/)
これらのツールの活用により、採用担当者は、より候補者との関係構築に集中することができます。データ分析ツールの活用は、採用プロセスを効率化し、より質の高い人材の確保に繋がる重要な手段です。
採用サイト制作はミウイットへ
株式会社Miuit(ミウイット)は、成果に繋がる採用サイト制作を行なっています。
採用要件の設計から行い、求職者に刺さるメッセージの設計、デザインを行います。
ご興味をお持ちいただいた方は、ミウイットまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
採用活動においてデータ分析を行うことは、現在の活動を見直し、改善することに役立ち、最終的にはコストの削減につながります。
例えば、求人サイトやエージェントなど複数のサービスを利用している場合、それぞれの応募者数や内定者の割合などを分析することで、よりコストパフォーマンスの高い求人サービスに絞り込むなど、分析結果の活用が可能です。
また、日立製作所の例のように、いま社内に本当に必要な人材像をデータによって分析・抽出し、採用プロセスを仕組み化することで、企業の成長と採用コストの削減を同時に叶えることもできます。
このように、非効率な採用活動を見直し、本当に必要な人材の採用やサービスの利用に限定することができれば、予算配分も適切になり、最終的には企業全体としてみた時の負担コストの削減にもつながります。ぜひ今回の記事を参考に、採用活動におけるデータ分析を行っていきましょう。
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