採用競合分析テンプレート-確認すべき項目と使い方を解説!

公開日:2024年11月30日

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採用競合の調査・分析は、採用サイト制作や採用戦略設計において非常に重要です。競合他社の採用サイトを調査することで、自社の強みや弱みを把握し、改善点を見つけることができます。

本記事では、採用サイト制作に特化した弊社で実際に使用している採用競合の分析シートの使い方を説明します。分析シートはダウンロードも可能です。

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採用競合分析がなぜ重要なのか

採用市場は現在、売り手優位の状況が続いており、優秀な人材の獲得競争が激化しています。多くの企業が採用目標の達成に苦戦する中、根本的な課題が見えてきています。

それは、「自社の強みの言語化」ができていないということです。採用担当者に「競合他社と比べて、なぜ求職者が御社を選ぶべきなのか」と質問すると、具体性に欠ける抽象的な回答が返ってくることが少なくありません。これは大きな問題です。なぜなら、採用担当者自身が明確に説明できないということは、求職者にとってはさらに理解が難しい状況だからです。

さらに、多くの企業が「競合他社の特徴を理解している」と思い込んでいる点も課題です。例えば、「他社より充実した成長環境がある」と主張する企業が多いものの、実際に採用競合として挙がるベンチャー企業群を見ると、どの企業も同様の成長機会を提供しており、差別化要因としては機能していないケースが散見されます。

このような状況下で重要なのは、以下の2点を明確にすることです:

  1. なぜ求職者がこの特定の企業群(自社を含む)を志望対象としているのか
  2. その企業群の中で、なぜ自社が最適な選択肢となりうるのか

これらの問いに対する具体的な答えを持つことで、初めて効果的な採用活動が可能となります。

採用調査で使うべきツールや媒体

採用競合調査の際には、次のようなツールや媒体を活用すると効果的です。

  • コーポレートサイト、採用サイト
  • IR資料
  • 口コミサイト(OpenWork、ONE CARRERなど)
  • SNS(Twitter、Facebook、Instagram など)
  • アクセス分析(Ahrefs、similarweb など)

採用競合調査の方法

1. 基本情報

コーポレートサイトや採用サイトを調査し、競合他社の基本情報を収集します。企業の業種や規模、事業内容、採用情報などを把握します。

基本情報
  • キャッチコピー

採用サイトのファーストビューに書かれているキャッチコピー。企業の特徴や強みを表すキャッチコピーを調査。コーポレートサイトと採用サイトで異なる場合もあるので、両方を調査する。

  • 企業理念、MVV

採用戦略を作る上で重要度は高くないが、自社のコンセプトを作る際に、他社の企業理念や MVV に入っている言葉の使用は避けたいため調査する。

  • 事業戦略

上場企業の場合は IR 、未上場の場合はコーポレートサイトやニュースにて事業戦略が書かれている。注力事業や戦略を見ることでどんな人材を求めているのかなどの情報を収集する。

  • 福利厚生

自社が導入していて競合他社が導入していない制度があれば、自社の強みとして訴求できる。

  • 年間休日

福利厚生と分けて項目を持つほど重要な要素。福利厚生が良いとはどんな状況か、という質問に対し年間休日が多いという回答が多い。

  • 研修制度

多くの採用担当者が自社の研修制度が採用競合と比較して充実しているのか理解している企業は少ない。自社の研修制度が充実している場合は、訴求ポイントとして活用できる。

  • キャリアパス

昇進のスピードやキャリアの幅などを調査。キャリアパスは求職者にとって重要な要素の1つなので、競合他社と比較して自社のキャリアパスが魅力的であることを訴求できる。

  • 初任給

初任給は応募するかの判断材料の1つ。給与が採用競合より高いか低いかで採用の戦い方は変わるため必ず調査する。

  • モデル年収

初任給は低くても30歳前後、40歳前後では給与が採用競合よりも高くなる可能性がある。採用競合と比較して初任給は低水準だとしても、モデル年収が高い場合は訴求ポイントとして活用できる。

  • 勤務地(転勤あり/転勤なし)

勤務地どこになるのか、異動の頻度はどれくらいか、なども重要な要素。転勤がない場合は、訴求ポイントとして活用できる。

2. 口コミサイト

口コミサイト(OpenWork、ONE CAREERなど)を調査し、自社と競合他社の評判や口コミなど定性的な情報収集をします。基本情報は採用競合と同じ様な内容でも、この口コミでかなり企業差が出ることも多いです。

口コミの調査
  • ポジティブな社員口コミ

社内文化や働きやすさ、福利厚生などに関するポジティブな口コミを調査。

  • ネガティブな社員口コミ

社内文化や働きやすさ、福利厚生などに関するネガティブな口コミを調査。自社の方が優れている場合、訴求ポイントとして活用できる。

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3. アクセス分析

競合他社の採用サイトのアクセス分析を行い、トラフィックやユーザーの動向を把握します。アクセス分析を通じて、競合他社の採用サイトの強みや弱みを分析し、自社の採用サイトの改善点を見つけます。

アクセス分析

4. その他

1〜3までの情報や採用媒体の掲載情報をもとに、採用競合の分析をしていきます。

その他の調査
  • 想定されるターゲット

採用しているメインの大学群や性格などの仮説を立案。

  • 訴求内容(3つほど)

競合他社の訴求内容を3つほどピックアップし、自社と比較してみる。

  • 運用中の採用媒体

運用している採用施策を調査。認知獲得のためにどの採用媒体が効果でるのか、自社が使っていない採用施策を使っているのかなどをあたりをつけてから検討をする。

分析シートを作成後

分析シートが完成したら、自社の採用ターゲットがなぜ自社と最終的を含めた企業群を選んでいるのか、なぜその中で自社が選ばれているのかを考えます。

また、他社と比較したからこそわかる差別化できないキーワードと差別化できそうなキーワードを考えましょう。ここがここまでできると、自社の強みや弱みが明確になり、採用サイトや求人票での訴求軸がはっきりします。

分析シートは業界特徴に合わせて、項目が変えながら行います。採用競合と比較するべき情報があれば、それを追加していきましょう。

キーワードについて

よくある質問と回答

Q. 採用競合分析は何社行えば良いですか?
A. 4、5社行うとかなり解像度が高くなると思います。弊社のご支援企業には社員アンケートをもとに採用競合を特定し、7社〜9社行います。

Q. 競合の想定される入社理由を考えるのが難しいです。
A. 間違っていても大丈夫なので、調査した内容をもとに仮説を立ててみましょう。

Q. 分析した後にどうすればいいですか?
A. 比較して自社の強みを見つけましょう。それぞれの項目でランキング形式にするのといいでしょう。

Q. 調査した結果をうまく活用できません。どうしたらいいですか?
A. ミウイットでは30分の無料壁打ち(相談会)を行なっておりますのでご希望があればお問い合わせフォームよりお申し込みください。

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まとめ

採用競合分析は、単なる他社の情報収集ではありません。それは自社の採用における強みと弱みを客観的に把握し、効果的な採用戦略を構築するための重要なステップです。

この分析から見えた自社の強みや差別化ポイントを、求人票や採用サイト、説明会の資料に落とし込んでみましょう。

ミウイットでは、採用戦略の策定から採用サイト制作を行っております。採用にお困りの方がお気軽のお問い合わせください。