効果が出ない採用サイトの特徴と改善策
公開日:2024年6月29日
採用サイト
目次
採用サイトは企業と求職者をつなぐ重要な接点です。しかし、多くの企業が採用サイトを作成しても期待通りの効果が得られないケースが少なくありません。当記事では、効果が出ない採用サイトの特徴と改善策について解説します。
また、Miuitでは成果につながる採用サイト制作をご提供しています。「採用活動がうまくいかない」「採用サイトをどこに依頼すればいいか分からない」とお困りの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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サイト流入者数が少ない
多くの方が、採用サイトの成功はデザインや構成にあると考えがちです。確かに、これらの要素は重要です。しかし、ここで一旦立ち止まって考えていただきたい重要な点があります。それは、どんなに素晴らしいデザインや構成の採用サイトでも、そもそも見てもらえなければ意味がないということです。
重要なデータとして、就職みらい研究所が発表した「就職白書2023」によると、求職者の75%が企業の情報収集にその企業のホームページを使用しているという事実があります。つまり、採用サイトの重要性は以前にも増して高まっているのです。
数百万円もの費用をかけて制作された採用サイトが効果を発揮しない理由の大半は、この流入数の少なさに起因しています。つまり、どれほど洗練されたデザインや魅力的なコンテンツを用意しても、そもそも見てもらえなければ意味がないのです。
サイト流入の動線の変化
かつてはマイナビやリクナビなどの就職ナビサイトに掲載すれば、求職者に自社を見つけてもらい、その一部が採用サイトやコーポレートサイトに流入してくるという流れがありました。しかし、現在はそれだけでは不十分です。
大きな理由は、労働市場が圧倒的な売り手市場になったことと、ダイレクトリクルーティングの台頭です。求職者は自分のプロフィールを作成するだけで、様々な企業からスカウトメッセージが届くようになりました。そのため、以前のように積極的に企業を探す必要がなくなり、むしろ待ちの姿勢でもオファーが来るようになりました。
求職者の視点から見れば、良い企業からオファーがいくつか来ていれば、その中の企業の採用サイトやコーポレートサイトを閲覧し、選んで応募するのが最も効率的で自然な流れです。つまり、選択と集中が起きているのです。
ダイレクトリクルーティングの活用方法
中小企業で採用に苦戦しているケースの多くは、ダイレクトリクルーティングを活用できていないことが原因です。注目すべきは、現在では新卒採用においてもダイレクトリクルーティングが主流になりつつあるということです。新卒採用も中途採用も、ダイレクトリクルーティングが採用の主戦場となっています。
ダイレクトリクルーティングを導入すれば、一定の流入数が増えることは確実です。さらに朗報なのは、成果報酬型のサービスも登場しており、リスクを抑えて始めやすくなっていることです。例えば、Offerboxのような成果報酬型のプラットフォームを利用すれば、採用に至らなければ費用が発生しないため、中小企業でも気軽に始められます。
ダイレクトリクルーティングの効果的な活用方法として、以下のポイントが重要です:
- ターゲットに合わせたカスタマイズされたメッセージ作成
- 採用サイトへ誘導するメッセージ
- 適切なタイミングでの配信(例:インターンシップ情報は夏休み前)
- フォローアップの徹底(初回メッセージだけでなく、継続的なコミュニケーション)
このような施策を通して、予定人数の10倍のサイト流入数を目指すことが一つの目安です。例えば、5名の採用を予定している場合、少なくとも50ユーザーのサイト流入数を目標にします。
"伝わる"よりも"かっこいい"を優先してしまう
採用サイトを制作する際、多くの企業が陥りがちな罠があります。それは、「かっこよさ」や「ブランディング」を重視するあまり、実際に情報が「伝わる」ことを軽視してしまうことです。
私たちが多くの企業の採用サイト制作を支援してきた経験から言えることは、華やかなデザインや最新のウェブ技術を使用することよりも、求職者に必要な情報をわかりやすく伝えることの方が重要だということです。
例えば、ある企業の採用サイトでは、全画面の動画背景や複雑なアニメーションを多用していました。確かに見た目は印象的でしたが、ページの読み込みに時間がかかり、求職者が必要とする情報にたどり着くまでに何度もクリックを要するものでした。さらに、トップページには華やかなビジュアルが並ぶものの、求職者が本当に知りたい情報(企業の特徴、求める人材像、募集職種など)がほとんど掲載されていませんでした。
このような状況では、以下のような問題が発生します:
1. サイトの滞在時間が短くなる: 必要な情報がすぐに見つからないため、多くの求職者がすぐにサイトを離れてしまいます。
2. 平均ページビュー数が少なくなる: トップページに十分な情報がないと、平均ページビュー数は2ページを切ることが多いです。「下層ページに詳細を載せているから大丈夫」と考えがちですが、実際には多くの求職者が下層ページまで到達しません。
3. 応募につながりにくい: 結果として、サイトを訪れた求職者の多くが、企業の魅力を十分に理解しないまま離脱してしまい、応募に至らないケースが増えます。
これらの問題に対する改善策として、以下のポイントに注目しました:
1. アニメーションの最適化: 過度なアニメーションを控え、サイトの読み込み速度を向上させます。
2. トップページの情報量を増やす: 下層ページに情報を出し惜しみせず、トップページで企業の魅力や求める人材像、主要な募集職種などの重要情報を提供します。
3. 回遊しやすい導線: 求職者が必要な情報に素早くアクセスできるよう、直感的なメニュー構造を設計します。
これらの改善により、サイトの滞在時間が大幅に増加し、平均ページビュー数も向上しました。結果として、応募率も大きく改善されました。
重要なのは、人気や知名度の高い企業でない限り、求職者に「もっと見たい」と思わせる工夫が必要だということです。トップページで十分な情報と魅力を提供することで、求職者の興味を引き、より詳細な情報を得るために下層ページへの遷移を促すことができます。これが効果的な採用サイトの第一歩となるのです。
ターゲットが明確になっていない
採用サイトの効果が出ない大きな理由の一つに、採用ターゲットが明確になっていないことがあります。例えば「能動的な学生」というような漠然としたターゲット設定では、該当者が多すぎて誰にでも当てはまるようなメッセージが出来てしまいます。
私たちが支援した企業の中で、特に成功した事例では、以下のようなより具体的なターゲット設定を行いました:
- 頑張る背中を見せてチームを引っ張るようなリーダータイプ
- 留学経験があるなど、新しい環境に積極的に飛び込めるタイプ
- 新しい技術に強い関心を持ち、常に学び続ける姿勢を持つ人材
このように具体的なターゲット設定ができれば、それに合わせた刺さるメッセージを作ることが可能になります。例えば、「グローバルな環境で自分の可能性を試したい方へ」といったキャッチコピーは、留学経験者や国際的な仕事に興味を持つ人材に強く訴求します。
しかし、最初からこのようなターゲットを明確化することは難しいと感じる企業も多いでしょう。そこで、おすすめの方法は、自社の中で理想的な人材のモデルとなる従業員を選び、その人物をターゲットの具体例として活用することです。
例えば、「△△部署の〇〇さんのような人材が欲しい」というところから始めてみましょう。そして、以下のような質問を通じて、そのモデル従業員の特徴を掘り下げていきます:
- 〇〇さんはどのような経歴や経験を持っているか?
- 〇〇さんが持つ特別なスキルや強みは何か?
- 〇〇さんの仕事に対する姿勢や価値観は?
- 〇〇さんが会社に入社を決めた理由は何か?
- 〇〇さんが現在の仕事に最もやりがいを感じている点は?
これらの質問に答えていくことで、抽象的だった採用ターゲットが、具体的な特徴や経験を持つ人物像として浮かび上がってきます。この方法を使えば、「能動的な学生」という抽象的な表現も、「大学時代にサークルの代表を務め、メンバーの意見を尊重しながら新しい取り組みを成功させた経験を持つ人」といった、より具体的で魅力的なターゲット像に発展させることができるでしょう。
このように、身近な優秀な従業員をモデルとしてターゲットを具体化することで、より現実的で魅力的な採用メッセージを作成することが可能になります。そして、このメッセージは確実に、求める人材の心に響くものとなるはずです。
自社の強みがわかっていない
採用サイトで最も重要なのは、求職者になぜ自社に入社すべきかを明確に伝えることです。そのためには、自社の強みを正確に把握し、それをターゲットの求職者が抱える悩みや求めているものと結びつけて表現する必要があります。ここで重要なのは、単なる自社の特徴ではなく、採用ターゲットにとって意味のある強みであり、かつ採用競合と比較して優位性のある点を見出すことです。
採用ターゲットと自社の強みを結びつける
ある企業の事例では、採用ターゲットを女性に絞っていました。調査の結果、多くの女性求職者がライフイベントによるキャリアの中断に不安を抱えていることがわかりました。そこで、この企業の強みである充実した復職制度や、女性管理職の多さをデータとともに訴求しました。
具体的には以下のようなデータを活用しました:
- 育休後の復職率:98%
- 女性管理職比率:35%(業界平均の2倍)
- フレックスタイム制度利用率:80%
これらのデータを「数字で見る〇〇社」というコンテンツにまとめ、視覚的にも分かりやすく表現しました。結果として、女性求職者からの応募が前年比150%に増加しました。数字で見るコンテンツの作る際の注意点は別記事にて解説をしてます。
数字で見るコンテンツ企業情報とは?メリットと制作時の注意点について徹底解説!
効果的な採用サイトを作るためのポイント
これまでの内容を踏まえ、効果的な採用サイトを作るための主要ポイントをまとめます:
- ダイレクトリクルーティングを活用し、積極的に流入を増やす
- 情報の伝わりやすさを最優先する
- 具体的な採用ターゲットを設定し、それに合わせたメッセージを作成する
- 自社の強みを明確にし、データを用いて説得力のある形で伝える
- 定期的にサイトの効果を測定し、継続的に改善を行う
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