【大手企業向け】採用ブランディング成功のポイントとよくある失敗事例

公開日:2025年1月13日

採用ブランディング

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大手企業の知名度だけでは優秀な人材を安定的に確保するのが難しくなっています。

こうした背景から、いま改めて注目されているのが「採用ブランディング」です。知名度のある企業であっても、競合他社との比較検討を求職者にシビアに行われる昨今、「なぜこの会社を選ぶのか」を明確に伝える戦略が欠かせません。

本記事は、数多くの企業の採用ブランディングを支援してきたMiuitが、実際の現場で得られた知見をもとに執筆しています。これまでの支援を通じて蓄積した成功事例や課題解決のポイントを交えながら、採用ブランディングに取り組むうえで重要な視点を解説します。

「採用ブランディング=かっこよく見せること」という誤解

「採用ブランディング」というと、見栄えの良いデザインや派手なキャッチコピーなど“かっこよく装飾する”ことだと捉えられがちです。しかし、採用ブランディングの本質は“一貫したポジショニング”にあります。

求職者の目に「A社といえば○○」と鮮明に映る“ポジション”を確立することです。たとえばトヨタ自動車であれば「技術力とグローバル展開のリーダー」、リクルートであれば「若手が成長しやすく、起業家を多く輩出する会社」といった具体的なイメージを持ってもらうことで、数ある選択肢の中から選ばれる理由をつくります。

採用ブランディングは「かっこよく見せる」ことよりも、ターゲット・キャッチコピー・社内制度・カルチャーなどが整合性をもって繋がっていることが重要です。

「◼︎◼︎業界で〇〇な会社と言えば▲▲」という基本フレーム

採用ブランディングを考える際、「◼︎◼︎業界で○○な会社と言えば▲▲」というポジショニングフレームがよく用いられます。これは、業界の特性(共通の魅力)× 自社が持つ独自性(強み)を掛け合わせて、一気にブランディングを際立たせる方法です。

業界の魅力:例)建設業の「地図に残る仕事ができる」、ホテル業の「お客様から直接“ありがとう”を聞ける」

自社独自の強み:例)「社員同士のコミュニケーションが活発」「独自の研修制度が充実」「未経験者が育ちやすい環境」など

これらを組み合わせることで、「なぜ他社ではなく御社を選ぶのか」を明確に提示できます。

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ありがちな失敗事例と対策

失敗事例1:業界の魅力だけをメインに打ち出す

「建設業なら“地図に残る仕事”」「ホテル業なら“お客様の笑顔に直接触れられる”」など、業界の魅力ばかり強調して差別化に失敗するケース。

業界の一般的な魅力に終始してしまうと、求職者に「どこも同じことを言っている」と思われがちです。例え大手企業であっても、業界全体のイメージに埋もれてしまい、独自の強みをアピールしきれなくなります。

対策:業界の魅力 × 自社ならではの強み

例)建設業界の魅力「地図に残る仕事」
   自社独自の要素「社員が互いにサポートし合う文化」

例)ホテル業界の魅力「お客様からありがとうを直接いただける」
   自社独自の要素「地方の魅力を取り入れた新しいホスピタリティ」

これにより求職者は、「他社にはない魅力がある会社」として認識しやすくなります。

競合分析でさらに差別化

こうしたポジショニングを明確にするために重要なのが、「競合との比較」です。

競合との比較方法についてもっと詳しく知りたい方は、採用競合分析テンプレート-確認すべき項目と使い方を解説! で詳しく説明しているのでこちらをご覧ください。

失敗事例2:良いところだけを伝える

ネガティブ情報を隠すリスク

「転職してみたら説明会で聞いていた話と違った」というミスマッチは、採用市場でよくある不満です。情報があふれる時代、求職者は以前よりも企業の“リアル”を重視しています。良い面だけを押し出すと、入社後のギャップから早期離職につながりかねません。

求職者が本当に知りたいのは“不安”を解消する情報

  • 配属先はどのように決まるのか
  • 転勤や勤務地はどの程度考慮されるのか
  • 未経験入社のハードルや研修制度の有無
  • 実際にどのような社員が活躍しているのか

こうした疑問点を丁寧にフォローすることで、求職者の不安を解消し、「この会社なら大丈夫」という安心感を与えられます。

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不安材料を見つけ方

社員アンケート

  • 入社前と後で感じたギャップ
  • 業務内容や人間関係での課題

口コミサイト(OpenWorkなど)の分析

  • 自社社員や元社員がどんな評価をしているか
  • 退職理由の傾向や入社後の満足度

こうしたリアルな声を採用ブランディングに活かせば、入社後のミスマッチを減らすことができます。

大手企業が押さえるべき4つのポイント

1. 業界内での明確なポジショニング

  • 「◼︎◼︎業界で◯◯な会社」として具体的に打ち出す
  • 求職者に「イメージしやすい存在」であることが大切

2. 競合との徹底比較

  • 他社がどんな魅力・福利厚生を打ち出しているか把握
  • 「自社では当たり前」だと思っている部分が、実は大きな強みの場合もある

3. 求職者の不安を解消する情報開示

  • ネガティブ情報も含め、入社後のギャップを減らす
  • 社員アンケートやインタビューで社内のリアルを伝える

4. 長期的かつ一貫したメッセージ発信

  • 採用ブランディングは短期PRではなく中長期戦略
  • 採用サイト、SNS、説明会などあらゆるタッチポイントで同じメッセージを発信

まとめ&次のアクション

いま採用に苦戦している方にとって、まず必要なのは「自社独自の魅力を改めて言語化し、競合と比較すること」です。業界全体に共通する魅力だけにとどまらず、ネガティブを含む情報も発信して、求職者からの信頼度を高めていきましょう。

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現在の採用課題を丁寧にヒアリングし、改善策を具体的にご提案しますのでお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人:株式会社Miuit 代表取締役 安井海都

Miuit は採用ブランディングに強みを持つWeb制作会社です。

  • 採用サイト制作×採用コンサルティングを通じ、多くの大手企業・地方企業で成果を実現
  • 社員アンケートの設計や採用競合調査など、現状分析から運用支援まで一貫してサポート

企業価値を最大限に引き出す採用ブランディングを、ぜひご一緒に作り上げましょう。